秋月春風 閑人のブログ

歴史、読書、ペン字、剣道、旅行……趣味の話を徒然と。

難読地名の呼称変更について思うこと

東大阪市に大蓮というと町名がある。親戚や友人がいた関係で、子供の頃から「おばつじ」という地名が耳に馴染んでいた。それが、私の学生だった頃、「おおはす」と読み方が変更された。呼称改変の理由は、元々は「おおはす」だったのが、時代とともに発音が…

剣道随想

剣道を始めたのは中二の時で、もう五十三年になる。中、高、大と剣道部に所属し、学生時代に三段に合格し、以後、一度も昇段審査を受けないまま、四十七年が過ぎた。大学卒業後は道場で稽古を続けていたが、三十代に入って、気の合った友人たちが次々辞めて…

「穴太」の読みについて

「穴太」、「穴生」という地名が各地にある。いずれも「あのう」と読む。旧仮名では「あなふ」と表記される。「あなほ」→「あなふ」→「あのう」と変化したものである。吉野の「賀名生」もかつては「穴生」と表記されていた。いずれも天皇、皇族に奉仕する名…

愛犬の死

先日、愛犬が亡くなった。11歳の誕生日を迎えた翌日のことだった。その5日前に私が散歩させていて家の近くまで戻ってきた時、彼が突然倒れたので、あわてて抱きかかえて帰り、妻とともに知人の車で動物病院に駆け込み、一命を取り留めることができた。そ…

許蘭雪軒の「少年行」について

朝鮮、李朝時代の薄幸の女性、許蘭雪軒の漢詩を取り上げてみる。 少年行 少年重然諾 結交遊侠人腰間玉轆轤 錦袍双麒麟朝辞明光宮 馳馬長楽坂沽得渭城酒 花間日将晩金鞭宿倡家 行楽争留連誰憐揚子雲 閉門草太玄 少年 然諾を重んじ 遊侠の人と交りを結ぶ腰間に…

韓国人と三国志演義

これは平成元年にある会報に掲載してもらったものです。若干の字句の修正のうえで当時の文章を転載します。 韓国の人々は昔から中国の古典に親しんできた。なかでも「三国志演義」で活躍する英雄たちの話はよく知られている。格言として「三顧草廬(サムゴチ…

舎弟

「義家朝臣と舎弟義綱と権を互にし、両方威を争ふの間…」(百錬抄)。高校時代、日本史の副読本で読んだ文章であるが、単に“弟”でよいのに、“舎弟”とわざわざ二文字にする必要があるのかと疑問であった。 “舎弟”の語は「六国史」にも使用例があるが、「将門…

高麗歌謡から 二編

若い頃、それほど知識があったわけではありませんが、時調(シジョ)など 韓国の古典文学に親しんでいた時期がありました。 20年前、高麗歌謡から二編の作品の訳詩を試みたのですが、 ブログを始めたのを機会に、添削したものを載せておきます。 青山別曲 …

天下の取り方

織田信長と斎藤道三は生涯にたった一度しか会っていませんが、その一度の会見で道三は信長の人物を見抜いたと言う話はよく知られています。しかし、道三に評価されたとはいえ、当時の信長に対する尾張国内の評判は最悪でした。 信長は同族や他の諸豪族を屈服…

名と字(あざな)

中国の人名には「名(諱いみな)」のほかに「字(あざな)」と言うものがありました。たとえば、劉備、字は玄徳、 関羽、字は雲長、 張飛、字は益徳、 そして、諸葛亮、字は孔明… といったことは三国志ファンの方々にはおなじみですね。 では、「名」と「字…